
営業は企業の売上を支える重要な部門と言えますが、「業務が煩雑になってしまい商談に集中できない」「会議や事務作業に追われてしまう」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。社内では限られた人員で最大限の成果を上げるためには、営業活動そのものを効率化することが求められます。
本記事では、すぐに始められる小さな工夫から、組織全体で取り組むべき改革まで、営業効率化のアイデアをわかりやすく解説します。営業担当者はもちろん、営業部門のマネジメント層にも参考にしていただける内容です。
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一人でもすぐにはじめられる業務効率化アイデア
タスクに優先順位をつける
営業の仕事は多岐にわたります。すべてを完璧にこなそうとすると、結果的に重要な案件が後回しになることもあるのではないでしょうか。
緊急度と重要度を軸にしてタスクを整理することで、営業成果につながりやすい行動を優先できます。
日々のToDoリストを「今すぐ対応」「スケジュールを立てて対応」「後回しでも可」「やらない」と分類するだけでも、やらなくてはいけないことを把握できますから、業務の流れがスムーズになります。
ショートカットキーを使用する
PC業務が多くなる営業活動は、ショートカットキーを活用することで作業スピードが格段に向上します。例えば、コピー&ペースト(Ctrl+C/Ctrl+V)やウィンドウ切替(Alt+Tab)など、基本的な操作だけでもショートカットキーを使えば時間短縮になります。
また、ExcelやOutlookなどよく使うソフトには、それぞれ便利なショートカットが多数あります。一度覚えれば、毎日の業務が効率的になりますので活用してみてはいかがでしょうか。
ユーザー辞書を活用する
頻繁に使う社名や担当者名、定型文は、ユーザー辞書に登録しておくと入力の手間が省けます。たとえば「おせわ」と入力して「お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。」と展開できるようにしておくと、入力の手間が省けメール対応が格段に速くなります。
このような小さな手間を減らす積み重ねが、大幅な業務効率改善につながるのです。
メールや資料のテンプレートを作成する
営業活動では、似たような内容のメールや資料を何度も何度も作成する場面がありますよね。これらをテンプレート化しておくことで、毎回ゼロから作る手間が省け、対応するスピードも早くなります。
テンプレートはチーム内で共有することも可能です。品質の均一化にもつながるため、個人だけでなく組織全体の効率向上にも役立ちますので活用しない手はありません。
Excelの関数を活用する
営業管理や顧客データの集計にはExcelが活躍してくれます。SUMやIF、VLOOKUPなどの基本関数を覚えるだけでも、集計やレポート作成の時間が大きく削減されます。
関数を組み合わせることにより、レポート作成がほぼ自動化できるようになりますので、他の業務に時間を回すことが可能になります。
部署単位ではじめられる業務効率化アイデア
簡単な事務作業を自動化する
Excel VBAやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を使えば、見積書の作成や入力作業など、ルーチン業務も自動化することが可能です。
プログラミングの知識がなくても利用できるツールも多く、ローコード・ノーコードツールなど中小企業でも導入しやすくなってきています。
ツールを活用することで自動化できる業務は積極的にツールに任せることで、営業担当者は本来の業務に集中できる環境を得ることが可能です。
社内会議の回数や時間を減らす
営業部門では、社内会議の頻度が高く、貴重な商談時間が削られてしまうケースがあります。会議の必要性を見直し、「目的」「議題」「終了時間」を明確にしたうえで本当に必要な会議なのかを見極め、効率的に会議を進行することが大切です。
例えば、日報や週報を活用することで、会議の回数自体を減らすことも可能になります。
情報やノウハウを共有する
営業活動の成功事例や失敗談、業界動向などの情報を社内で共有することで、メンバー全体のレベルアップを期待することができます。社内のチャットツールやナレッジベースを使って、日常的にノウハウを蓄積していきましょう。
特に新入社員や異動してきたメンバーにとっては、それらノウハウの情報共有が教育コストの削減にもつながります。
外注化を視野に入れる
DM発送、データ入力、資料作成など、営業活動に直接関わらない業務は、外注化の検討もひとつの手です。コストとのバランスを見ながら、業務を切り出すことで、営業担当者のリソースをコア業務に集中させることができます。
会社全体で計画的に行う業務効率化アイデア
Webコンテンツを充実させる
Webコンテンツを整備することは多くのメリットがあります。
資料ダウンロード、FAQページ、ブログ記事など、顧客にとって有益なWebコンテンツを増やすことで、自社への関心を高め、問い合わせの質と数が向上します。営業が行う説明やフォローの負担も軽減され、営業効率がアップします。
業務を標準化し営業マニュアルを作成する
属人化しがちな営業活動を標準化し、マニュアル化することで、新人育成や組織全体のレベル向上に効果があります。提案資料の作り方、ヒアリングのポイントなど、形式知として残すことが重要です。
インサイドセールスを導入する
訪問を前提とせず、電話やオンラインツールを使って顧客にアプローチする「インサイドセールス」は、コスト削減と効率化に有効です。フィールドセールスとの役割分担によって、見込み顧客の育成からクロージングまでをスムーズに行えます。
ITツールを活用する
ITツールを活用することは、業務効率化を実現しやすくなる大きな方法の1つです。トライアル期間など無料で試せるツールやサービスも多いので、まずは使ってみてはいかがでしょうか。
SFA(営業支援システム)
営業活動を記録し、進捗を可視化することで、営業戦略を立てやすくなります。個人の経験や勘に頼る営業からの脱却が可能です。
CRM(顧客管理システム)
顧客とのやり取りや履歴を一元管理でき、関係性の維持・向上につながります。リピートやクロスセルの機会創出にも効果的です。
MA(マーケティングオートメーション)
見込み顧客の行動履歴をもとに、自動でメールを送るなど、商談化の確率を高める施策が可能です。営業が本来注力すべき案件を絞り込む手助けになります。
AI
生成AIではメール文面や営業資料の草案作成、特化型AIではチャットボットや名刺管理、人材マッチングなどで業務の一部を担うことができます。
2025年に入りAI活用は一般的になってきています。営業が業務効率化を図るのに、生成AIを使わない手はありません。作業時間を大幅に軽減できたり、アドバイザーとして補佐的な役割をになってくれたり、さまざまな営業活動を支えてくれるでしょう。
オンライン会議ツール
ZoomやTeamsを活用すれば、遠方の顧客との商談や社内会議がリモートで実施でき、移動時間を削減できます。
コロナ禍で当たり前になったオンライン会議ツールですが、コロナ禍以降の現在でも、オンライン会議ツールは一般的に利用され続けています。
営業の幅を大きく広げるツールとして、シーンに応じて使い分けましょう。
日程調整ツール
スケジューラーに予定を登録しておくと、空いてる日程をピックアップしてくれて、商談や打ち合わせの日程調整をしてくれて、アポが取れたら予定を自動入力していくれますので、やりとりの手間を大幅に減らせます。
営業に効率化が求められる背景
人口の減少
日本の生産年齢人口は年々減少しており、少人数でも高い成果を出すことが求められています。営業も例外ではなく、効率化は避けられない課題です。
働き方改革
長時間労働を前提とした働き方は見直されつつあります。成果を維持しながら労働時間を削減するためにも、業務効率化が必要です。
競争の激化
グローバル化やIT技術の進展により、競合他社との差別化がますます難しくなっています。営業活動においても、データやツールを活用した効率的なアプローチが求められます。
営業を効率化する目的
売上アップ
営業効率化の最終的な目的は、売上の向上です。限られた時間と労力で最大の成果を出すには、無駄を削ぎ落とした戦略的な活動が必要です。
商談に注力
業務を効率化することで、商談準備や顧客の課題分析により多くの時間を使えるようになります。商談の質が高まり、成約率向上につながります。
顧客満足度の向上
効率化によって生まれた時間を、顧客対応に使えば、丁寧なヒアリングや迅速なレスポンスが可能になります。結果として顧客満足度が高まります。
担当者の負担軽減
営業職は残業が多い業務の代表です。業務の見直しにより、心理的・物理的負担の軽減が図れ、離職率の低下にもつながります。
コストの削減
移動時間や会議の削減、業務の外注化やITツールの活用によって、無駄な人件費や経費を抑えることができます。
営業効率化が進まない理由
営業活動が可視化されず属人化している
営業ノウハウが特定の人に依存している場合、他のメンバーが真似できず、組織的な効率化が進みません。活動の見える化とナレッジ共有が重要です。
コア業務以外にリソースが取られる
報告書作成や資料の整備など、直接的な営業活動ではない業務に多くの時間を取られていると、成果に直結しない労力が増えてしまいます。業務の棚卸と役割分担の見直しが必要です。
自社にあわせた取り組みを見極め、段階的に進めることが重要
営業効率化を実現するには、すべての企業にとって同じ方法が効果的とは限りません。業種や企業規模、組織体制によって課題も最適な解決策も異なります。また、一度にすべてを変えようとすると現場が混乱する恐れもあります。そのため、自社の現状や課題を正しく把握し、自社にあった効率化の方法を見極めることが大切です。
本記事でご紹介したアイデアを参考に、自社にとって最適な方法をみつけ、無理なく着実に営業活動の質と生産性を高めていきましょう。