
2025年現在、AI(人工知能)やロボット等のテクノロジーの進歩によって、私たちの働き方や職業選びに大きな変化が訪れています。特に、2015年に野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究によって発表された「今後10〜20年で日本の労働人口の49%の仕事がAIに代替される可能性がある」という予測は、社会に大きなインパクトを与えました。
その予測から10年たった今では、スーパーのセルフレジやカスタマーサポートのチャットボット導入など、身近なところでも機械化・自動化が加速しており、「自分の仕事は今後も安定しているのか?」「10年後も活躍できるスキルとは何か?」と不安を抱える人は増え続けています。
本記事では、AI時代においてなくなる可能性が高い仕事とそうでない仕事の特徴や、今後需要がふえるスキル・考え方を徹底解説します。さらに、SES業界や営業職の方に向けた対応策やおすすめスキルも具体的に紹介します。
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AIによってなくなる仕事の特徴
定型的・ルーティン業務
AIが最も得意とするのは、定型的・ルーティンワークです。以下のような職種は、AIや自動化などへの代替可能性が高いといわれています。
- 事務職(事務作業・チェック業務など)
- 工場勤務者(単純作業・組み立て・検品など)
- カスタマーサポート(定型回答、一次回答など)
- コンビニ店員、スーパーのレジ業務(セルフレジ・キャッシュレス化)
- タクシー運転手(自動運転技術の進歩)
これらの仕事は、AIによって正確性・スピード・効率化の向上が期待されています。
一方で、感情の理解や臨機応変な対応といった人間特有のスキルが求められにくいのが特徴です。
判断基準が明確で、データ処理が中心の業務
AIは膨大なデータを解析し、最適な判断を導き出すことにも優れています。
たとえば以下のような仕事もAIへの代替可能性が高いとされています。
- 翻訳(特に一般的な文章)
- 倉庫業務や物流業界での検品、ピッキング
- 銀行員の事務処理、調剤業務(薬剤師)
このような業務は、AIや機械学習による自動化ツールの導入で急速に変化しており、無人化や人手不足対策としても活用されています。
AI時代でもなくなりにくい仕事の特徴
創造性やアイデアが求められる仕事
AIは文章の生成やアノテーション、ビッグデータ解析には強い一方で、独自の感性や創造力、経験に基づく判断はまだ不得意です。
イラストの作成ができるAIも登場していますが、既存作品の模倣と受け取られることもあり、著作権を今後どうしていくのか議論の対象となっています。
そのため、0→1を生み出す以下のような仕事では今後も人間の能力が必要とされます。
- 商品企画やサービス開発
- デザインなどクリエイティブ分野
人間同士のコミュニケーションが重視される仕事
AIは言葉として現れない人間の感情や空気感を感じ取ることは苦手としています。
以下のような職種は人の感情にのっとったやり取りや、信頼関係の構築が求められるため、AIに完全代替されるのは困難です。
- 営業職
- カウンセラー、心理カウンセラー
- 医師、保育士、介護職など医療・福祉分野
現場での柔軟な対応が求められる仕事
現場での臨機応変な判断、予想外のトラブルへの対応はAIにとって苦手分野であり、以下のような職種でも今後も人間の関与が不可欠です。
- 教師、保育士
- プロジェクトマネージャーやIT系コンサルタント
- ホテルのフロント係(主にクレーム対応など)
AI時代に必要とされるスキルとは?
AIの発展によって、私たちの働き方は大きく変わっています。
これからは、AIやITツールを「使われる側」ではなく、「使いこなす側」になることが、仕事を継続していく上での重要なスキルとなります。
問題解決力・論理的思考力
AIは膨大なデータの処理や計算は得意でも、「なぜこの問題が起きているのか?」「根本的な原因は何か?」といった課題の本質を見抜く力はまだ苦手とされています。
人間ならではの論理的思考力や視点の柔軟さが求められる場面は多く、特に以下のような職種で重要です。
- コンサルタントやプロジェクトリーダーなど、クライアントの要望を整理し、最適な解決策を導き出す役割
- システムやサービス開発における「仕様の矛盾」「顧客ニーズとのズレ」に気づき、改善策を提案するような場面
このように、単に与えられた作業をこなすだけではなく、「問題を定義し、最適な手段を選ぶ」ことができる力は、今後ますます価値を持っていくでしょう。
コミュニケーション能力とチームマネジメント力
たとえ技術がどれだけ進化しても、人と人との関係性の構築や、複数人で進めるプロジェクトの推進には人間力が欠かせません。
- 営業職やカスタマーサポートでは、顧客の本音を引き出し、信頼関係を築く力が成約や満足度に直結する
- マネージャーやリーダー職では、メンバー一人ひとりの状況を把握し、適切なフォローやチームビルディングを行う力が求められる
AIでは再現しにくい性格の違いや空気感、そして臨機応変な対応力が、これからの時代にも強い武器になります。
常に学び続ける姿勢
AIやIT分野は日進月歩で進化しており、「今の知識」だけでは通用しなくなることもあります。そのため、学び続ける姿勢はすべての職種で不可欠です。
- 新しいAIツールやITサービスの情報をキャッチアップし、実務で活用できるスキルとして身につける
- 資格取得やオンライン学習を通じて、自分の専門性や汎用スキルをアップデートする
- 社内外の勉強会・セミナーなどに参加し、最新の知識やトレンドに触れる
このような継続的なインプットとアウトプットを繰り返すことで、AI時代でも「選ばれる人材」であり続けることができます。
SES営業がAI時代に備えてできることとは?
営業にもデジタル化が求められている
近年、AIマッチングなど自動化ツールの導入により、SES業界でも業務効率化が進んでいます。
特に以下の業務は自動化しやすい領域です。
- スキルシートとの条件マッチ
- 初期対応メールやフォローアップ
- 議事録や営業日報の作成
だからこそ、営業職にも人間にしかできないさまざまな「価値の提供」が求められます。
エンジニアの将来性を見極める力をつける
SES営業としては、「スキルのあるエンジニアを紹介する」だけでなく、そのキャリアや志向性に寄り添った提案をすることで、エンジニアとの信頼関係を築けます。
AIとの共存
AIマッチングツールを活用すれば、専門的な知識がなくても、簡単に誰でも一定の精度で人材と案件をマッチングすることができます。条件に合った候補者を素早くピックアップできるため、業務の効率化やミスマッチの削減にもつながり、大きなメリットがあります。
しかし、それだけでは本当に最適なマッチングとは言えません。エンジニアの志向やキャリアの方向性、クライアントとの相性など、数値化しづらい人間ならではの情報や感覚は、AIでは判断できません。だからこそ営業職には、ヒアリング力や共感力、信頼関係を築く力が不可欠です。
AIが提示する「候補」の中から、“本当にフィットする1人”を見極めるのは人間の役割です。
AIと協力しながら、“人と人をつなぐ力”で、より価値あるマッチングを実現していくことが大切です。
今が“AIを利用する営業”へ進化するチャンス
AI時代において、営業職の役割は大きく変わろうとしています。
単なる「案件を紹介するだけ」ではなく、「業務やキャリアを支援するパートナー」としての営業が求められます。
AIを活用しながら、人間にしかできない“関係構築”や“信頼づくりを武器に、これからの時代に適応した営業へと進化していきましょう。
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