
SES(システムエンジニアリングサービス)業界では、エンジニアと案件をマッチングさせる営業活動が非常に重要です。特にSES営業をはじめたばかりの方にとっては、「どんな流れで仕事が進むのか」「どんな対応が求められるのか」がわからず、不安を感じる場面も多いのではないでしょうか。
この記事では、SES営業の基本的な業務の流れをステップごとに丁寧に解説します。案件獲得からエンジニアの提案、参画後の対応、トラブル時や契約終了時の流れまで、一連のプロセスを理解することで、よりスムーズに業務を進められるようになります。
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SES営業とは
SES営業とは、自社やパートナー企業に所属するエンジニアを、システム開発などを行う企業に提供し、クライアントのプロジェクト支援を行うための営業活動を指します。いわゆる「人材の提案営業」にあたり、クライアントのニーズに合ったエンジニアを適切なタイミングでマッチングさせることが求められます。
営業担当者は、クライアント開拓だけでなく、エンジニアの確保・提案、契約手続き、稼働後のフォローアップなど、多岐にわたる業務を担当します。
エンジニアの確保
SES営業において「提案できるエンジニアをどれだけ確保できているか」は重要です。確保できる人材の幅が広がるほど、クライアントへの対応力も上がり、結果的に営業成果にもつながります。
エンジニアの調達先としては以下の3つがあります。
- 自社エンジニア
自社に在籍する社員エンジニア。育成もしやすく、信頼性が高い - 協力会社のエンジニア
技術者を保有する他社とパートナー契約を結び、エンジニアを紹介してもらう - フリーランスエンジニア
直接契約を結ぶ個人エンジニア。即戦力が多く、柔軟な稼働が可能
これらをうまく組み合わせて、営業タイミングに合わせて適切なエンジニアを用意しておくことが重要です。
新規取引先の開拓
SES営業は、クライアントを見つける必要があります。自社で開発を行っている上場企業や大手SIerなど、SES需要の高い企業を中心に取引先候補をリスト化し、アプローチを行っていきます。
1.取引先候補のリスト作成
まずは、ターゲットとなる企業の業種・規模・開発状況などをリサーチし、自社と相性の良さそうな企業を洗い出します。人材ニーズがあるかを確認するため、過去の求人情報や取引情報も参考にします。
2.取引先候補のWEBサイトを確認
候補企業のWEBサイトには、開発体制やプロジェクト情報、パートナー募集などの情報が掲載されている場合があります。企業理解を深め、アプローチの切り口を探る上で非常に有効です。
3.アポイントメント
テレアポや問い合わせフォーム、営業メールなどを通じて初回のアポイントを取り付けます。最初の印象が大切なので、提案の背景や価値をわかりやすく伝える工夫が求められます。
4.訪問
アポイントが取れたら、企業訪問またはオンラインでの商談を行います。SESの提供実績やエンジニアのスキル層、マッチングスピードなどを具体的に伝え、信頼構築を図ります。
5.訪問後のフォロー
商談後は、案件や要望に関する追加資料や質問への回答をすばやく提供し、信頼関係をさらに深めていきます。タイムリーな対応が成約率を高める鍵です。
6.営業活動の記録
CRMツールや営業日報を使って、営業活動の履歴をしっかり残しましょう。誰がどこまで対応しているかを明確にしておくことで、チームでの連携も円滑になります。
エンジニアの提案・アサイン
クライアントから要望をもらったら、条件に合ったエンジニアを提案し、面談、条件交渉を経てアサインまで進めます。
1.エンジニアの確認
まずは自社内で待機中、または案件が終了予定のエンジニアの状況を確認します。稼働可能な時期や希望条件なども同時に把握しておくことが重要です。
2.エンジニアのピックアップ
要望とスキルセットを照らし合わせて、マッチしそうなエンジニアを複数人ピックアップします。提案できる候補が多いほど、成約のチャンスは広がります。
3.スキルシートを最新に更新
スキルシートは提案の要です。最新の案件や技術経験を正確に反映し、見やすく整理することで、クライアントの評価が上がります。
4.エンジニアの提案
準備が整ったら、クライアントにエンジニアのスキルシートとともに提案を行います。メールだけでなく、口頭でも補足を入れることで、より効果的なアピールが可能です。
5.引き合いへ意思表示
クライアントからの引き合い(面談希望など)が来たら、速やかにエンジニアの意思を確認し、前向きな姿勢を伝えましょう。
6.クライアント企業と面談
エンジニアとクライアントの面談を調整し、実施します。オンラインで行われることも多く、事前に面談のポイントやマナーを共有しておくと安心です。
7.条件交渉
単価や稼働時間、契約期間などの条件について交渉を行います。お互いに無理のない範囲で合意できるよう、バランス感覚が求められます。
8.見積書を作成・提出する
条件がまとまったら、見積書を作成し、提出します。必要に応じて契約書や覚書なども準備しましょう。
新規案件参画・稼働管理・請求
アサインが決定したら、エンジニアの現場入り、日々のフォロー、そして請求業務へと進みます。
1.アサイン確定後の確認
契約内容や入場日、必要書類などをエンジニア・クライアント双方に確認します。食い違いがないよう丁寧に情報を整理しておきましょう。
2.初日入場のアテンド
初日は営業担当が現地に同行し、エンジニアの入場をサポートすることが一般的です。名刺交換や入場手続きの案内なども行います。
3.入場後のエンジニアフォロー
稼働が始まってからも、定期的なフォローを行い、困りごとや不満がないかを確認しましょう。継続的なフォローがトラブルの予防にもなります。
4.勤務表の回収
月末にはエンジニアの勤務表を回収し、クライアントの承認を得ます。タイムリーな回収が請求の正確性につながります。
5.請求書作成・提出
勤務実績をもとに請求書を作成し、クライアントへ提出します。請求ミスがあると信頼を損なうため、丁寧なチェックが必要です。
6.入金確認
入金日を確認し、期日通りの支払いがあったかを管理します。遅れがある場合は、早めにフォローを行いましょう。
トラブル発生時の対応
エンジニアとクライアント間でトラブルが発生した場合は、営業担当者が間に立って迅速に対応する必要があります。事実確認を行い、感情的にならず冷静に状況を整理し、最適な解決策を提案することが重要です。
稼働終了時の対応
契約期間の満了やプロジェクトの終了により、エンジニアの稼働が終了する場合があります。クライアントの指示に従って、以下の対応を行います。
- 退出日の調整と連絡
- 貸与物(PCや社員証など)の返却
- 勤務表や報告書の提出
- 次の案件への切り替え相談(場合によっては)
スムーズな退出手続きは、次回以降の信頼関係にもつながります。
SES営業においてエンジニアを適切な案件にマッチできるかがポイント
SES営業では、「エンジニアの確保」から「クライアント開拓」「提案・面談」「稼働フォロー」「契約終了時の対応」まで、一連のプロセスを丁寧に進めることが求められます。中でも、エンジニアを適切な案件にマッチさせる力が、営業の成果を大きく左右します。
はじめは業務の幅広さに戸惑うこともあるかもしれませんが、ひとつずつ流れを覚えていけば、確実に成果につながります。営業の質を高めるためにも、常に丁寧な対応と誠実な姿勢を忘れずに取り組みましょう。
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