「SES営業はやめとけ」といった言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
SES営業は、IT業界においてエンジニアとクライアントを繋ぐ重要な役割を担う職種です。
しかし、その大切さとは裏腹に、業務の大変さやストレスの多さが指摘されることも少なくありません。なぜ、このようなネガティブな意見が存在するのでしょうか?
本記事では、SES営業の基本的な仕事内容から、きついと言われる理由、そしてやりがいと課題について深掘りしていきます。
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SES営業とは?
SES営業とは、ITエンジニアを取引先企業に常駐させ、労働力を提供するサービスの営業職のことを指します。このSES営業では、取引先企業が抱えるプロジェクトやニーズをヒアリングし、それに適したシステムエンジニアを選定・紹介します。その後も、プロジェクトが円滑に進むようサポートを行っていきます。
SES営業はやめとけと言われる理由
SES営業は、SES企業の中で重要な役割を果たす職種ですが、その反面、大変さを理由にネガティブな意見が挙がることも少なくありません。では、なぜ「やめとけ」と言われるのでしょうか?
ここでは、その理由をいくつか挙げ、それぞれの背景を詳しく見ていきます。
トラブルやクレーム対応が多い
SES営業は、クライアントとエンジニアの間でトラブルが発生した場合に間に立って対応をする必要があります。エンジニアのスキル不足や人間関係の問題、職場や労働環境への不満など、自分の裁量だけでは解決しきれない様々な問題が起こる可能性があります。営業職は双方の間に挟まれ、ストレスが溜まりやすい環境となることが少なくありません。
エンジニアのスキルより頭数を重視する場合がある
エンジニアをアサインする際、プロジェクトとエンジニアの能力のバランスを取ることが理想的ですが、必要な人数を優先的に確保しなければならない場合もあります。そのため、人材不足の場合にはスキルが十分でないエンジニアを無理にアサインせざるを得ず、トラブルの原因となることもあります。
これにより、営業としてのやりがいや達成感を感じにくくなることがあります。
SEとの人間関係に悩みやすい
SES営業は人材を提供することで売上を上げるビジネスモデルですが、実際に客先に常駐し働くのはエンジニアです。そのため、エンジニアから営業に対して強い態度で接されるケースもあります。営業が契約を取り付けなければ案件が発生しないことを理解してもらえない場合など、エンジニアと接することに不安やストレスを感じることがあります。
IT技術についての勉強が必要
SES営業はエンジニアではありませんが、IT業界の知識が求められます。IT技術について学ぶことで、クライアントやエンジニアとのコミュニケーションがスムーズに進むため、常に勉強し続ける必要があります。そのため、プログラミングやエンジニア経験のあるひとは有利ですが、IT未経験の場合は用語を覚えるだけでも一苦労するかもしれません。
SES営業の仕事内容
SES営業は、ITエンジニアを必要とする企業とエンジニアをつなぐ役割を担っています。その業務内容は多岐にわたり、営業職としてのスキルはもちろん、業界知識や調整能力、判断力も求められます。具体的にどのような仕事をするのか、主な業務内容を詳しく見ていきましょう。
新規取引先の開拓
SES営業では、ITエンジニアを必要とする企業を探し出し、取引を開始することが重要な業務の一つです。新規の会社を探すためには、テレアポ、メール、マッチングツール、問い合わせなど、さまざまな手法を駆使して行います。目標はクライアントの獲得となるため、様々な提案や役立つ情報の提供などを行って企業と関係を築くことが求められます。
商談・提案・契約
商談ではクライアントのニーズや課題を詳細に聞き出し、それに合ったエンジニアの派遣を提案します。このプロセスでは、クライアントが求めるスキルを明確にし、提供可能なソリューションを提案します。契約成立に向けて適切な交渉をすることが重要なポイントです。
エンジニアの確保と紹介
クライアントのニーズに合ったエンジニアを確保するため、自社のエンジニアだけでなく、他社やフリーランスからも人材を探すこともあります。エンジニアと採用面談を行い、スキルや希望にミスマッチが無いかを調整していきます。
エンジニアとクライアント双方の合意が得られれば、エンジニアをクライアントのプロジェクトに合流させる手続きを進めます。
エンジニアへのフォロー
常駐先で働くエンジニアへのフォローも重要な業務の一つです。勤怠状況の確認や、仕事上の悩みをヒアリングし、解決策を講じます。これにより、エンジニアのモチベーションを維持し、プロジェクトの成功をサポートします。
SES営業に求められるスキルとは?
SES営業としてスキルアップしたい、またはこれから転職などでSES営業になりたいと考えている場合は、どのようなスキルが必要でしょうか。エンジニアとクライアントをつなぐ架け橋としての役割を果たすには、特定のスキルが重要になります。ここでは、SES営業に必要なスキルを4つに分けて解説します。
プレゼン能力
SES営業はその名の通り営業職であり、クライアントに提案を行い納得してもらうことが求められます。時にはITに詳しくないクライアントに対しても、分かりやすく具体的な提案を行えるスキルが必要です。他の人のプレゼンを聞いたり、資料の作成などを行いながらノウハウを貯めていきましょう。シンプルで説得力のあるプレゼンができることが理想です。
コミュニケーション能力
SES営業は、社内外で多くの人と接する仕事です。クライアントやエンジニアの話をしっかりと聞き、適切に対話する力が求められます。ヒアリングや業務のフォローを丁寧に行い、信頼関係を築くことが重要です。コミュニケーションに自信がない場合でも、相手の意見を尊重しながら丁寧に接することで、円滑なコミュニケーションを実現でき、スキルアップに繋がります。
IT業界への興味
SES営業は、クライアントのニーズとエンジニアのスキルを正確にマッチングさせる必要があります。IT業界に興味を持ち、積極的に専門知識を学ぶ姿勢が求められます。現状の知識に満足せず最新技術やトレンドをキャッチアップする意欲が、自身の成長や成果を出す上で大きな助けとなるでしょう。
マメな連絡ができる人
SES営業では、エンジニアやクライアントに対してこまめに連絡を取ることが必要です。レスポンスが遅い場合、信頼を損なうリスクがあるため、タイムリーな対応を心がけましょう。迅速で誠実な連絡は信用を築く基盤となります。
SES営業に向いていないと言われる人は?
SES営業として活躍するためには、クライアントだけでなくエンジニアとの関係を大切にすることが重要です。しかし、以下のような特徴を持つ人は、SES営業に向いていないと言われる傾向があります。思い当たる節がある場合には、意識的に改善を目指すことをおすすめします。
エンジニアの意見を聞かない人
SES営業は、エンジニアを最大限に活かす調整役でもあります。しかし、エンジニアの意見に耳を傾けなかったり、内容を理解しないまま進んでしまうと、後々ミスマッチが起き、トラブルとなる可能性があります。
SESは下請けであるためクライアントに意見するのは苦労することもありますが、プロジェクトがスムーズに進むかどうかはSES営業の采配に大きく左右されるため、エンジニアを理解ししっかりと連携を取れる姿勢が求められます。
利益ばかりを優先してしまう
エンジニアとSES営業の関係上、エンジニアが営業の依頼を断りにくい立場になることも少なくありません。この関係性を利用して利益を優先し、スキルに見合わないプロジェクトにエンジニアをアサインしてしまうと、エンジニアだけでなくクライアントからの信用も失う可能性があります。利益だけではなく、現実的に成功する方法を模索し、両者にとってベストな選択を考えることが大切です。
SES営業は大変だがやりがいもある仕事
SES営業は、クライアント企業とエンジニアを繋ぐ重要な役割を担う仕事です。エンジニア需要は今後も下がることは無いことを考えると将来性もある仕事だと言えるでしょう。
一方で、トラブル対応や人間関係の問題、IT知識の習得といった課題が伴うのも事実です。「やめとけ」と言われる背景を理解しつつ、これらの課題を乗り越えるための工夫が求められます。
SES営業の効率化には、ITツールの活用が大いに役立ちます。たとえば、エンジニアのスキルや希望条件を素早く把握できるマッチングツールや、業務の進捗を一元管理できるプロジェクト管理ツールを導入することで、日々の負担を軽減し、営業活動を効果的に進めることが可能です。
企業やエンジニアからの相談など対人間のやり取りが多い職種であるため、単純に効率化できない部分もありますが、仕事をより良い環境にできるよう様々な可能性を試してみましょう。
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