
IT業界では慢性的なエンジニア不足が続く中、SES(システムエンジニアリングサービス)事業を展開する企業でも、人材の確保と育成が大きな課題となっています。特に近年は、中堅層の争奪戦が激化し、経験の浅い若手エンジニアの採用や教育体制の整備に力を入れる企業が増えてきました。
しかし現場では、OJTに偏った育成や、教育成果の見えづらさなど、実施面での問題も少なくありません。また、営業活動に直結するマッチング精度を高めるためにも、エンジニアのスキルの可視化や、教育機会の拡充が求められています。
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深刻化するSES業界の人材不足
エンジニアの需要拡大と供給不足
デジタル化の加速に伴い、企業のIT投資は年々増加しています。システム開発・運用保守・インフラ構築など、あらゆる分野でエンジニアの需要が拡大しており、SES業界でもその波を強く受けています。
しかし、それに対する人材の供給が追いついていないのが現実です。日本の労働人口の減少や、IT教育の機会格差なども背景にあり、「案件はあるのに人がいない」という状況が恒常化しています。
中堅層・即戦力人材の奪い合い
特に深刻なのが、中堅層や即戦力人材の不足です。経験3年以上のエンジニアは、どのSES企業でも確保が非常に困難で、好条件での引き抜きも珍しくありません。
こうした背景から、営業担当がクライアントのニーズに合った人材を提案できず、商談チャンスを逃してしまうケースも増えています。単なる人材紹介ではなく、「いかに即戦力として機能する人材を提案できるか」が今後の営業戦略のカギとなります。
若手未経験の採用・育成に舵を切る企業も増加
中堅人材の確保が困難を極める中で、未経験者や若手人材の採用・育成に注力する企業が増えてきました。実際、SES業界では「ポテンシャル重視」の採用を行い、自社で教育を施して現場に送り出す体制が徐々に整いつつあります。
こうした動きは、教育機会の提供という社会的な役割を果たすと同時に、安定的な人材供給体制の構築にもつながります。教育に投資できる企業が、今後のSES市場における競争力を高めることは間違いありません。
SES現場で求められる「教育」の役割
要件を満たす人材がいない=営業が提案しづらい
SESの営業活動において最も重要なのは、「いま、どんなスキルを持つ人材を、どの案件に提案できるか」というマッチングの正確性です。しかし、スキルのミスマッチや人材のレベル不足によって、提案すらできないという事態が頻発しています。
特に未経験者や若手の場合、最低限の業務スキルやビジネスマナーが備わっていないと、案件の選択肢が狭まり、営業活動にブレーキがかかってしまいます。だからこそ、教育の有無が営業にとっても非常に重要となります。
独自教育で即戦力化を目指す重要性
未経験人材を早期に戦力化するには、自社での研修や教育体制の整備が不可欠です。たとえばJavaやJavaScriptなどの基礎的な言語習得、Gitの使い方、現場での報連相の習慣づけなどを体系的に学ばせることで、より広い案件への提案が可能になります。
教育を「コスト」と捉えるのではなく、「投資」であり「営業支援施策」として捉える視点が重要です。
営業サイドでも「教育前提」のマッチングが可能に
営業担当が教育カリキュラムを理解しておくと、「今はこのレベルだが、〇ヵ月後にはこのスキルが習得済みになる予定」というように、将来を見越した提案が可能になります。
社内教育の精度が整うことで営業活動にも幅を持たせることができるようになります。
新人エンジニア教育における課題と現実
現場任せのOJTに頼りがち
多くのSES企業では、新人エンジニアの教育を現場のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)に依存しているケースが少なくありません。たしかに、現場での実務を通じた学びには即効性がありますが、指導内容や教育品質にばらつきが生じやすいという課題があります。
また、現場のエンジニアもプロジェクトの進行に追われており、新人育成に十分なリソースを割くことが難しいのが実情です。結果として、新人が適切な成長機会を得られず、スキル習得の遅れやモチベーションの低下につながる可能性もあります。
教育コストが高い・時間が取れない
新人を育成するには、時間・人員・教材など多くのリソースが必要です。特にSES事業では、エンジニアが稼働して初めて収益が発生するモデルのため、研修期間が長引くほどコスト負担が重くなります。
教育成果が見えにくく、評価しにくい
新人教育を行っても、「何をどこまで習得できたか」「どの程度の案件にアサイン可能か」といった成果の可視化が難しいことも大きな課題です。
スキルチェックやテストを取り入れていない場合、営業担当がエンジニアの現状を正確に把握できず、適切な提案やマッチングが行えないリスクもあります。また、評価指標があいまいだと、教育を受けた本人も達成感を得にくく、成長実感を持ちにくくなってしまいます。
案件待機中の有効活用ができていない
新人が案件にアサインされるまでの待機期間は、本来であれば教育やスキルアップの絶好の機会です。しかし実際には、待機期間をただ過ごすだけの時間にしてしまっているケースも多く見受けられます。
このような非効率は、営業機会の損失や本人のモチベーション低下にもつながるため、企業全体で対策を講じる必要があります。
教育体制が強いSES企業の特徴
自社でカリキュラム・研修を整備
教育体制がしっかりと整っているSES企業は、独自のカリキュラムを構築していることも多いです。プログラミング言語の習得だけでなく、ビジネスマナーや報告・連絡・相談の習慣づけまで網羅したプログラムを提供しています。
このような教育環境は、営業担当にとっても提案時に自信を持って紹介できる材料になります。
社内メンター制度の活用
優れた教育体制には、経験豊富なエンジニアによるメンター制度の導入も欠かせません。メンターが定期的に1on1を行ったり、実務面だけでなくキャリア相談にも乗ったりすることで、新人の成長スピードや定着率を高めることが可能です。
営業と教育の連携で「配属後のギャップ」を減らす
強い教育体制を持つ企業ほど、営業部門と教育部門が密接に連携しています。営業担当が要件の傾向を教育担当にフィードバックし、それに沿った育成を行うことで、現場に配属された際のギャップを最小限に抑えることができます。
このような連携があると、エンジニア本人にとっても「配属されてから苦労する」ケースが減り、現場での定着率向上にもつながります。
営業活動にもつながる教育体制のメリット
「育成力のある会社」として取引先に安心感を与える
クライアントにとって、エンジニアが安定して稼働し成果を出せるかどうかは非常に重要な判断基準です。その中で、「自社でエンジニアをしっかり育成している」と説明できるSES企業は、高い信頼と安心感を与えることができます。
育成方針やカリキュラムを営業担当がしっかり把握し、取引先に説明できる体制が整っていることが、他社との差別化にもつながります。
参画ハードルの高い案件でも提案しやすくなる
大手企業や先進技術を扱う現場では、一定レベル以上のスキルが求められることも多く、未経験者や若手が提案しにくい状況があります。
しかし、独自の研修や実践型の演習を通じてスキルを身につけた人材であれば、案件参画のハードルを下げることが可能になります。
教育によるスキル証明ができれば、提案がしやすくなり営業機会が大きく広がります。
スキルを可視化しやすい
教育体制を整えることで、エンジニアのスキルや成長状況を可視化しやすくなります。たとえば、研修修了証やテスト結果、スキルシートを整備しておけば、営業担当は客観的な情報をもとにクライアントへ提案できます。
教育の仕組みづくりに活用できるツール・サービス
オンライン研修プラットフォーム
Schoo、Aidemy、Progateといったオンライン学習サービスは、初学者から中級者レベルまでをカバーでき、時間や場所を問わず学習が可能です。自社で研修をゼロから設計する負担を減らせるため、コストパフォーマンスにも優れています。
また、クラウド上で受講履歴や進捗を確認できるため、教育状況の把握と管理にも役立ちます。
社内LMS(ラーニングマネジメントシステム)
LMSは、複数の教育コンテンツや受講者の進捗・成績を一元管理できるシステムです。新人教育だけでなく、継続学習やキャリアアップ支援にも活用できます。
自社の教育方針やカリキュラムに合わせたカスタマイズが可能で、成長段階に応じた適切な教育機会を提供することができます。
自社独自教材の内製化
NotionやGoogle Classroomなどのツールを使えば、自社独自の教材やFAQを簡単に構築・共有できます。新人向けの研修資料、動画マニュアル、用語集などをまとめておけば、教育の効率化と標準化が図れます。
社内文化やクライアントニーズに合った内容を盛り込める点も大きなメリットです。
教育×営業の連携でSES事業を強化しよう
エンジニア不足が深刻化する今、教育の有無がSES企業の競争力を左右する要素となっています。
単に「人を出す」のではなく、育てて提案することで、クライアントに安心感を与え、提案の幅を広げることが可能です。
営業担当も教育の内容を理解し、「このエンジニアは〇〇ができる」と自信を持って伝えることができれば、商談の説得力は大きく変わります。教育の質は、営業成果に直結する時代です。
今後のSES事業を安定的に成長させるためには、営業と教育が一体となった体制づくりが不可欠です。自社の強みを活かしながら、育成と提案のサイクルを強化していきましょう。
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