
SES(システムエンジニアリングサービス)営業をしていると、エンジニアのスキルシートを見る機会が多くあります。営業担当者は、エンジニアのスキルシートから必要な情報を抜粋し、クライアントへの提案に活用したり、匿名のスキルシートを作成して営業活動を行うこともあります。
本記事では、SESのスキルシートの見方や、よりアピールできるスキルシートの作成方法・書き方について詳しく解説します。スキルシートの内容によっては、クライアントの反応に差が出ることもあるため、ポイントを押さえたスキルシートの理解や作成が重要です。
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SESのスキルシートとは?職務経歴書とは何が違う?
スキルシートとは
スキルシートとは、エンジニアの技術経歴をまとめた書類のことを指します。
エンジニアが自身の持つスキルや経験をアピールするためにも使う資料ですが、SES営業においては、クライアントにエンジニアを売り込むための提案資料として使用されることもあります。
スキルシートには決まったフォーマットは存在しないので、多くのSES企業では自社で作成した独自のフォーマットを使用しています。
職務経歴書との違い
スキルシートと職務経歴書は、どちらも個人の経歴やスキルをアピールするための書類ですが、目的や内容に違いがあります。
項目 | スキルシート | 職務経歴書 |
目的 | クライアント向けにITスキルをアピールするため | 転職活動時に志望動機や自己アピールを伝えるため |
使用対象 | エンジニア・IT技術者が主に使用 | 幅広い業界・職種で使用 |
内容 | 技術スキル・プロジェクト経験を中心に記載 | これまでの職歴や業務内容、志望動機などを記載 |
SES営業でスキルシートが重要な理由
SES営業においてのスキルシートは、エンジニアを提案するための営業資料です。営業担当者は、スキルシートの内容をもとに、クライアントの需要とエンジニアのスキルがマッチする案件を見つけることが必要になります。
また、スキルシートはクライアントだけでなく、エンジニアの年収にも影響を与える重要な書類です。
スキルや経験が適切に整理され、魅力的に記載されていれば、高単価な案件を獲得する可能性も高まります。そのため、営業担当者はスキルシートの内容をしっかりと理解し、どこがアピールポイントになるのかを把握しておくことが重要です。
SESスキルシートの基本的な内容と書き方
スキルシートはエンジニア本人が作成することが多いですが、エンジニアによって書き方や充実度にばらつきが多くあります。
営業活動で使用する際には、内容の充実度や分かりやすさが求められます。
必要に応じてわかりやすく情報を整理できるように、SESスキルシートの基本的な構成と各項目の書き方について詳しく解説します。
基本情報
スキルシートの冒頭には、エンジニアの基本情報を記載します。エンジニアの人物像が想像できるよう、過不足なくまとめることが重要です。
- 氏名・年齢・最寄駅・最終学歴・保有資格などを記載
- 匿名のスキルシートでは、氏名をイニシャルなどに置き換える
- 学歴は「国公立大学卒」「専門学校卒」などの記載にとどめ、具体的な学校名は不要
経験した職務の要約
エンジニアがこれまで携わった技術や業務をまとめた項目です。クライアントが求めるスキルを素早く把握できるよう、以下の点に注意しつつ簡潔かつ明確に記載しましょう。
- 経験してきた技術をできるだけ多く書き出す
- 必要に応じて箇条書きを使用し、視認性を向上させる
- 直近の案件を上部に記載し、時系列順に整理する
携わったプロジェクトの名前
過去に関与したプロジェクトの名称を記載します。
ただし、具体的な会社名や製品名は記載しないよう注意しましょう。
例)
〇〇系ECサイトシステム開発
〇〇利用者向けアプリ開発
携わったプロジェクトの担当業務
プロジェクト内で担当した業務について、設計・開発・テストなどの各工程ごとに整理して記載します。以下のような表を用いることで、どの工程を担当したのかが一目で分かりやすくなります。
要件定義 | 基本設計 | 詳細設計 | 実装 | テスト |
○ | ○ | △ | – | ○ |
また、各業務において具体的な成果を記載することが重要です。
例えば、「データの読み込み時間を1分から10秒に短縮」といった形で、数値を用いた成果を記載すると、実績が明確になります。
携わったプロジェクトの期間
プロジェクトに携わった期間を明記します。
プロジェクトの開始から終了までの期間を記載すると、どのくらいの経験を積んだのかが分かりやすくなります。
例)
2019年6月~2024年1月
携わったプロジェクトの役割・規模
自身の役割やプロジェクトの規模を明記します。予算なども分かれば明記しておくと良いでしょう。
例)
役割: チームリーダー|バックエンドエンジニア
規模: 10名(エンジニア7名、デザイナー2名、PM1名)
予算: 約3000万
使用言語・環境
使用したプログラミング言語や環境、ツールをリスト化します。
例)
言語:Java、PHP、Ruby、Python、Go
環境・OS:Windows、macOS、Unix、Linux
フレームワーク:Spring Framework、CakePHP、Ruby on Rails
営業担当者としても、以上のような見やすく分かりやすいスキルシートの作成をサポートすることで、商談や提案の成功率を高めることができます。
スキルシートを作成する場合の注意点
スキルシートを作成する際には、記載内容に細心の注意を払う必要があります。特に、経歴の詐称や企業名・製品名の記載には十分注意しましょう。
経歴を詐称する、盛る
最もやってはいけないことは、経歴を誇張したり、嘘の経歴を記入することです。
プロジェクト参画後にスキル不足が原因で経歴の詐称が発覚すると、取引停止となったり、最悪の場合は取引先から訴えられるようなことに発展する可能性もあります。
特に経験の少ないエンジニアは、スキルシートに記入できることが少ないため、勉強の期間を実務のように記載してしまうケースなどが起こりやすいです。しかし、長期的なキャリアを考えた場合、正確な情報を記載し、実際に身につけたスキルを正直に記述することが重要です。
企業名や製品名を出す
守秘義務があるプロジェクトに携わっていた場合、スキルシートに企業名や製品名を記載することは避けるべきです。
有名なサービスや企業名は目を引きやすいため、スキルシートに記載したくなるかもしれませんが、クライアントからの信頼を落とすことにつながる可能性があります。
記載したい場合は、プロジェクト参加時に責任者に確認し、許可を得たうえで記載するようにしましょう。
スキルシートの理解・提案をスムーズにするには?
スキルシートの理解が難しい場合、スキルと案件のマッチングツールを活用することで、SES営業の大きな助けとなります。特にIT知識が乏しい営業担当者にとって、エンジニアのスキルシートと案件の要件を適切に照らし合わせる作業は難しいものです。
AIマッチングツールを活用することで、以下のような利点があります。
- 最適な案件の自動提案
エンジニアのスキルセットとクライアントの要望をAIが分析し、適切な案件を提案 - スキルシートの強化支援
AIがスキルシートの内容を分析し、不足している情報や強調すべきポイントを提示 - 提案資料作成の効率化
案件やエンジニアごとにどのスキルを押し出すべきかがわかりやすくなり、営業担当者の負担を軽減
このようなツールを活用することで、営業担当者はより的確な提案が可能となり、成約率の向上が期待できます。
スキルシートはSES営業にとって最も重要な提案書
スキルシートは、エンジニアのスキルや経験を的確に伝えるための重要なツールです。
営業担当者としても、見やすく分かりやすいスキルシートの作成を意識することで、商談や提案の成功率を高めることができます。
適切なスキルシートの作成を通じて、より良い営業活動に役立てましょう。
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