SES営業が知るべきIT業界の構造と分類を詳しく解説

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SES営業が把握しておくべきITC業界の構造

SES営業を行う上で、IT業界の構造を理解することは非常に重要です。しかし、IT業界はその事業範囲が広く、多岐にわたるため、全体像を把握するのが難しい業界です。

本記事では、ビジネスモデル、企業業態、事業分野の観点からIT業界の構造を解説します。また、IT業界の現状や今後の動向、最新トレンドについても紹介していますので、SESの営業活動に役立ててください。

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IT業界とは

IT業界とは、コンピュータやデータ通信に関連する情報技術を活用した産業全般を指します。現代社会では、ソフトウェアやハードウェアの提供、システム開発、情報処理サービス、ネットワークの構築・運用、サイバーセキュリティ対策、AI(人工知能)の開発など、さまざまな分野でIT技術が活用されています。

企業や個人の業務効率化や利便性向上に欠かせない存在となっており、ビジネスのデジタル化が進む中でその重要性はますます高まっています。

IT業界の構造

複雑なIT業界の構造は、ビジネスモデル、企業業態、事業分野の3つの分類によって理解を深めることができます。

ビジネスモデルによる分類

BtoB(企業向けビジネス)

BtoBとは、企業が企業向けに展開する事業モデルです。主に以下の分野が含まれます。

  • システムの設計・開発・運用・保守
  • ITコンサルティング
  • ソフトウェア開発・提供
  • ネットワーク構築・運用

企業が顧客となるため、案件の規模が大きく、予算も多いのが特徴です。

BtoC(個人向けビジネス)

BtoCは、企業が個人向けに展開するビジネスです。代表的な分野として以下があります。

  • オンラインゲーム
  • ストリーミング動画
  • SNS
  • ネット通販
  • ネット金融

この分野では、消費者のニーズに応じた迅速なサービス提供やユーザー体験の向上が求められます。

BtoBtoC(企業と個人をつなぐビジネス)

BtoBtoCは、企業と個人の取引を円滑に進めるための支援を行うビジネスモデルです。

  • インターネット上のショッピングモール(Amazon、楽天など)
  • 予約・仲介サービス

企業向けのプラットフォームを提供しながら、最終的な顧客は一般消費者です。企業と個人の双方に価値を提供するのが特徴です。

企業業態による分類

事業会社

自社で開発した製品やサービスを提供する企業です。独自の技術を活用し、競争力を高めています。

ベンダー

自社開発ではないシステム、ソフトウェア、ハードウェアの販売や運用サポートを行う企業です。

事業分野による分類

通信

電話やインターネットなどの通信サービスを提供する企業が属します。

  • NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、KDDI など

Webサービス

オンラインサービスやウェブサイトを運営する企業が含まれます。

  • 検索エンジン(Google、Yahoo! JAPANなど)
  • SNS(X、Instagram、LINEなど)
  • インターネット通販(Amazon、ZOZOTOWN、楽天など)
  • コンテンツ配信(Netflix、Spotify、Amazonなど)
  • シェアリングサービス(メルカリ、Uber EATS、タイムズなど)
  • インターネット金融(PayPay、CAMPFIRE、freeeなど)

情報処理(SIer)

データ処理やシステム運用、ITコンサルティングを行う企業です。

  • メーカー系SIer(日立製作所、富士通など)
  • ユーザー系SIer(NTTデータ、野村総合研究所など)
  • 独立系SIer(Sky、日本ユニシスなど)
  • 外資系(アクセンチュア、インテルなど)

ソフトウェア

アプリケーションやシステムソフトウェアの開発・販売を行う企業です。

  • 業務ソフトウェア(Microsoft、日本オラクル、トレンドマイクロなど)
  • SaaS(Google、Sansan、SmartHRなど)
  • ゲームソフト(DeNA、スクウェア・エニックスなど)

ハードウェア

コンピュータや電子機器の設計・製造・販売を行う企業です。

  • PC・スマートフォンメーカー(NEC、富士通、VAIOなど)
  • 電子機器メーカー(三菱電機、Panasonicなど)

IT業界の現状と今後

業界規模は増加傾向

総務省が発表した令和6年版の情報通信白書によると、IT業界の名目GDPは54.7兆円となり、全産業の10.1%を占めています。これは、IT業界が国内経済において非常に重要な役割を果たしていることを示しています。

さらに、デジタル技術の発展により、クラウドサービス、AI、IoT(モノのインターネット)などの分野が急速に成長しています。今後も新しい技術が次々と生まれ、業界全体の発展が続くと予想されています。

人材不足

IT業界では慢性的な人材不足が続いています。特に、若年層の人口減少や高齢化の影響を受け、エンジニアやITコンサルタントなどの専門人材の確保が困難になっています。

このような状況を受け、多くの企業では採用活動を強化し、未経験者向けの教育プログラムや研修制度を充実させる動きが見られます。また、フリーランスやリモートワークの普及により、柔軟な働き方を取り入れるIT企業も増えています。

IT業界のトレンド

AI(人工知能)

AI技術は、業界を問わず多くの分野で活用が日々進んでいます。特に、画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野では、AIの高度な解析能力が求められています。

また、AIを活用した自動化技術により、業務の効率化やコスト削減が可能になり、多くの企業が導入を進めています。

5G

5G(第5世代移動通信システム)は、超高速・低遅延の通信を実現する技術です。これにより、IoTの発展が加速し、スマートシティや自動運転技術の普及が進んでいます。

特に、医療や製造業などの分野では、リアルタイムでのデータ通信が求められるため、5Gの活用が重要視されています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

DXとは、企業や組織がデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを構築する取り組みのことを指します。クラウドコンピューティング、ビッグデータ解析、AIなどの技術を活用することで、業務プロセスの効率化や新しいサービスの創出が可能になります。

政府や企業がDXを推進することで、IT業界のさらなる成長が期待されています。

クラウドサービス

クラウドサービスは、インターネットを通じてデータやアプリケーションを利用できる技術です。AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、Google Cloudなどの主要クラウドプロバイダーが市場を牽引しています。

近年、リモートワークの普及に伴い、企業のクラウド移行が加速しており、今後も市場の拡大が見込まれます。

サイバーセキュリティ

ITの発展とともに、サイバー攻撃の脅威も増しています。企業や政府機関では、機密情報や顧客データの保護を強化するため、最新のセキュリティ技術を導入しています。

ゼロトラストセキュリティやAIを活用した脅威検知システムなど、新しいセキュリティ対策が求められています。

SES営業ならIT業界の構造を把握しておきましょう

IT業界は多岐にわたる分野が存在し、企業のビジネスモデルや業態、事業分野によって大きく異なります。また、IT業界は急速に発展し続けており、市場規模の拡大や新技術の登場が業界全体の成長を支えています。

しかし、人材不足やセキュリティの課題も存在するため、企業はこれらの問題に対応しながら成長戦略を立てる必要があります。

SES営業担当者にとって、IT業界の構造を理解し、IT業界の市場規模や最新トレンドを理解することは重要です。業界の動向を把握し、顧客に対して適切な提案ができるようにすることで、営業活動の成果を向上させることができるでしょう。

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